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A0
おれは山田リョータ。高校3年生だ。
もう受験生だというのに日々ゲーム三昧。
特にRPGならおれの右に出る者はいない。
あの時おれは学校から帰ってくるなりいつものようにゲームを始めていた。
(あと少しでボスの気配だな。)
ニヤリと笑みを浮かべながらリョータは最新作のRPGを堪能している。
(よし、さぁ戦闘だ!!)
テレビのスピーカーからバトルの音楽が流れてくる。
(ん?いつもと違う音楽だ。
レア・バトル??)
リョータはよりウキウキしてきた。
しかし、テレビの画面にはメッセージウインドウが表示されているだけだ。
(何かおかしいなぁ。もしかして、バグった?)
リョータが変だなぁと思い始めたとほぼ同時に、
ウインドウにメッセージが流れ始めた。
「ん?あなたをゲームの世界にご招待?」
ヤバげな気配のメッセージである。
さらに続きがこう綴られていた。
”さぁ一緒に冒険の旅に出よう!!”
「えっ!?ヤバこれ。はい??」
と、動揺してる間にゲームの召喚システムは有無を問わず発動したようだ。
「・・・・・・・・・!!?」
いきなり画面の前の空間が揺らぎ始め、
リョータは見事ゲームの世界に呑み込まれたのだった。
(あれ?ここはどこだ??)
意識を取り戻したリョータは辺りを見渡した。
辺りは、何かおどろおどろしい妖気を醸し出している洋館の中っぽい。
ていうか、周りに3人のコスプレチックな人々と、マントを羽織り、
鎧で武装している如何にも魔王っぽい方までいらっしゃる…。
(マジっすか…。)
これはマズイと思うリョータの前に自分がさっきまで操作していた勇者様が話しかけてきた。
「おまえは…!?」
(えっ!?いや、マジで?話しかけられんの…!?)
限りなく動揺気味のリョータであるが、取り合えずここはこの世界に順応するべきか。
「あ、おれですか?おれは山田リ…。」
自己紹介しようとしたリョータの声はイキナリ遮られる。
「おまえは僧侶だ!!」
「えぇぇぇえええ!?」
「いや、だから僧侶だろ?さっきおれの仲間の召喚士がおまえを呼んだんだから。」
(そんな馬鹿な…。普通ゲームに呑み込まれるような展開の時って、
大概おれ勇者ちゃうん!?)
有り得ない展開にリョータは連いていけない。
「早く復活魔法で武闘家を復活させてくれ!!」
「ええ!?いや、あの…おれ復活魔法とか使えんし…。え?は?」
何とか必死に自分のスキルを説明しようとする。が、
「何っ!?何で僧侶のくせに復活させれんねん!!
ふざけとんのか!!!!」
世界をお救いになられる方がかなり怒りモードでいらっしゃる。
もうかなりヤバイ。
少し離れた所では、必死に召喚士らしき人が魔王に挑んでいる。が、
のあぁぁぁぁあああ!!!!
突然、一人で勇敢に戦っていた召喚士が悲痛な叫び声を上げる。
「な!?あぁ!?召喚士ぃ!!
くそっ…。おまえがちんたらしてるから召喚士までやられてまったやんけぇ!!!!」
(あぁ限りなく憤ってらっしゃる…。
この先どうなるのだろう。)
そんな考えが目の前のひたすらヤバイ状態と裏腹に
割りと落ち着きつつ思い浮かんでは消えていくのであった。
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